コーヒーは大きく分けて二種類
世界には100種類以上のコーヒー豆の原種があると言われていますが、その中でも商業的に流通しているのは主に「アラビカ種」と「ロブスタ種」の2種類です。
- アラビカ種: 全体の約60%を占める主要な品種。酸味と香りが豊かで、繊細な味わいが特徴です。栽培が難しく、病害虫にも弱いため、高地で栽培されます。
- ロブスタ種: 全体の約40%を占めます。アラビカ種に比べて病害虫に強く、栽培が容易なため、低地で栽培されます。苦味が強く、香りは控えめ。インスタントコーヒーや缶コーヒーの原料に使われることが多いです。
ブラジルの生産量
コーヒー豆の生産量で世界一を誇るのは、ブラジルです。広大な国土を生かした大規模な栽培が行われており、その生産量は世界の約3分の1を占めるとも言われています。
コピ・ルアクなどの動物のうんこを使った豆がある
世界には、動物の力を借りて作られるユニークなコーヒー豆が存在します。
最も有名なのが、インドネシアの「コピ・ルアク」です。ジャコウネコがコーヒーチェリーを食べ、消化されずに排出された豆を洗浄・乾燥させて作られます。
ジャコウネコの体内で発酵が進むことで、独特の香りとまろやかな味わいが生まれると言われています。
精製方法は大きく分けて2種類
コーヒー豆は、コーヒーチェリーから果肉を取り除いて乾燥させる「精製」という工程を経て、私たちがよく知る「生豆」になります。
その方法は大きく分けて2種類あります。
- ナチュラル(非水洗式): コーヒーチェリーをそのまま乾燥させてから果肉を取り除く方法。果肉の甘みが豆に移りやすく、フルーティーで複雑な風味になりやすいのが特徴です。
- ウォッシュド(水洗式): コーヒーチェリーの果肉を取り除いてから水に浸し、発酵させて粘液質を分解する方法。クリーンで酸味が際立ち、すっきりとした味わいになりやすいのが特徴です。
なぜ山の名前がつくことが多い?
コーヒー豆には、「キリマンジャロ」や「ブルーマウンテン」のように、山の名前がつくことがよくあります。
これは、コーヒーの栽培に高地が適しているためです。
寒暖差が大きく、日照時間が長い高地では、豆がゆっくりと成熟し、より風味豊かなコーヒー豆が育ちます。
各生産国での品評会がある
ワインのように、コーヒー豆もその年の収穫物を評価する「品評会」が各国で行われています。特に有名なのが、最高品質の豆に与えられる「カップ・オブ・エクセレンス(COE)」です。COEを受賞した豆は、その品質が世界的に認められ、高値で取引されます。
抽出方法はさまざま
コーヒーの抽出方法は、使う器具によって多種多様です。
- ペーパードリップ: 家庭で最も一般的な方法。フィルターを通してゆっくりとお湯を注ぎます。

- フレンチプレス: 豆をお湯に浸漬させ、金属フィルターで濾す方法。豆本来の油分が抽出され、濃厚な味わいになります。

- エスプレッソマシン: 高い圧力をかけて短時間で抽出する方法。濃厚な味わいが特徴で、カフェラテなどのベースになります。

- サイフォン: 蒸気圧を利用して抽出する方法。演出効果が高く、見た目も楽しめます。

カフェオレとカフェラテの違い
どちらもコーヒーとミルクを合わせた飲み物ですが、明確な違いがあります。
ドリップコーヒーかエスプレッソで作るかが大きな違いです。
- カフェオレ: フランス発祥。ドリップコーヒーにミルクを加えて作ります。
- カフェラテ: イタリア発祥。エスプレッソにスチームミルクを加えて作ります。
アメリカーノ、アメリカンの違い
これも似ていますが、全く違う飲み物です。
- アメリカーノ: エスプレッソにお湯を加えて作ります。エスプレッソの濃厚なコクは残しつつ、すっきりとした味わいです。
- アメリカンコーヒー: 本来は浅煎りの豆を使い、多めのお湯でドリップして作ります。カフェインが少なく、マイルドな味わいです。日本では普通にドリップしたコーヒーをお湯で割ったものを指すこともあります。
ホットとアイスで味わいが変わる理由
同じ豆を使っていても、ホットとアイスでは味わいが全く異なります。これは、温度によって舌が感じる味覚が変わるためです。高温では酸味や苦味が強く感じられ、低温では甘みが強く感じられます。そのため、アイスコーヒー用には、深煎りの苦味がしっかりとした豆が使われることが多いです。
スペシャルティコーヒーって何?
スペシャルティコーヒーとは、ただ単に「美味しい」だけでなく、「生産地からカップに至るまで、一貫した品質管理がされている」コーヒーのことです。
厳しい基準を満たし、国際的な評価で80点以上のスコアを獲得した豆だけが、スペシャルティコーヒーと名乗ることができます。
インスタントコーヒーの作り方
インスタントコーヒーは、あらかじめ抽出したコーヒー液を「フリーズドライ」や「スプレードライ」という方法で乾燥させて粉末状にしています。
その過程の際に香りが飛んでしまうので普通のコーヒーと味わいが変わると言われています。
しかし近年は技術が向上し、レギュラーコーヒーに近い風味のものも増えています。
インスタントコーヒーは日本発祥
インスタントコーヒーは、1889年にアメリカのシカゴに在住していた日本人科学者カトウ・サトリ氏によって開発されました。
1901年に開催されたパンアメリカン博覧会で「ソリュブルコーヒー」として発表し、1903年にアメリカで特許を取得しました。
この「ソリュブルコーヒー」が世界初のインスタントコーヒーと言われています。
バリスタは資格の名前じゃない!?
バリスタは、イタリア語で「バールで働く人」という意味で、コーヒーを提供する専門家のことを指します。
公的な国家資格ではなく、民間資格はいくつかありますが、バリスタになるために必須というわけではありません。
缶コーヒーは一度熱処理をしなければならない
缶コーヒーは、常温で一年間の賞味期限を実現するために、日本の食品衛生法によって「殺菌」または「除菌」が義務付けられています。
殺菌の為に製造工程で一度抽出したコーヒーの液体を熱処理します。
これにより、常温でも長期間保存することが可能になります。
しかし、コーヒーの香りや味わいは熱に弱い為、熱処理によって本来の味わいとは変わってしまうことがあります。
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