
コーヒー豆を選ぶには?
「おうちで美味しいコーヒーを淹れてみたいけど、お店にはたくさんの種類の豆が並んでいて、どれを選べばいいか分からない…」
そんな風に感じたことはありませんか?
コーヒー豆選びは、一見難しそうに思えますが、実は2つのポイントを押さえるだけで、驚くほど簡単に自分好みの味を見つけられるんです。
この記事では、コーヒー初心者のあなたが「これだ!」と思える一杯に出会うための、シンプルな豆の選び方をご紹介します。専門用語は使わず、分かりやすく解説するので、ぜひリラックスして読み進めてみてくださいね。
あなたはどっち派?「焙煎度」で大まかな好みを把握しよう
コーヒーの好みは大きく分けると酸味のあるフルーティーな味わいが好きな人と苦みとコクのあるしっかりした味わいが好きな人で分かれます。
まず、あなたの好みが「酸味やフルーティーさ」と「しっかりした苦味やコク」のどちらに近いか考えてみましょう。
コーヒーの味わいの方向性を決める最も大きな要素、それが「焙煎度(ばいせんど)」です。
焙煎とは、コーヒーの生豆を煎る加熱作業のことです。
コーヒーの味は7割生豆によって決まりますが残りのほぼ3割は焙煎によって味が決まります。
基本的にコーヒー豆は元々は酸を持っているので焙煎が浅いと酸味が強くて苦みは少なく、焙煎が進んでいくと酸味が少なく苦みが強くなっていきます。
- 焙煎が浅い(浅煎り):酸味が際立ち、フルーティーで華やかな味わい
- 焙煎が深い(深煎り):苦味とコクが強まり、チョコレートやナッツのような香ばしい味わい
まずはこの2つのどちらが好みかを知ることが、自分だけのコーヒーを見つけるための最短ルートです。
コーヒーを選ぶ時の基準としては、酸味と苦みのバランスが一番大きな味の違いになるので、まずざっくり好みの焙煎度合いを見つけることがファーストステップになります。
基本的にコーヒーがあまり得意ではない人は浅煎りの豆のほうがおいしく感じられる傾向があります。ですので入門編として浅煎りから試して、徐々に焙煎度の深い豆を試すといいと思います。
酸味が苦手な方は逆に深煎りから焙煎度を徐々に下げていってみるのもいいと思います。
焙煎度別味の特徴
焙煎度 | 主な味わい | 風味の特徴 |
浅煎り | 酸味 | フルーティーな酸味、華やかな香り、 紅茶のように軽やか |
中煎り | バランス | マイルドな苦味と酸味、優しい甘み |
中深煎り | コク・苦味 | しっかりした苦味とコク 微かな酸味と香ばしさ |
深煎り | しっかりとした苦味 | 重厚なコクと苦味、 ビターチョコやカカオのような香り |
初心者におススメな焙煎度別の選び方まとめ
上記を参考に焙煎度の選び方について、4ステップでまとめます!
- フルーティor苦みとコクを選ぶ
- フルーティーなら浅煎りを、苦みとコクなら深煎りを、分からなければとりあえず日本人好みの味である中深煎りを選ぶ
- もう少し苦みやコクがあるものがいいと思ったら焙煎度合いを少し上げてみる
- もう少しスッキリ、フルーティーなものがよいと思ったら焙煎度合いを下げる
こうして選ぶと理想の味わいにぐっと近づきます!
ステップ2:「フレーバー」で、より自分好みの風味を探そう
焙煎度で大まかな苦みと酸味のバランスが決まったら次はフレーバーについてみていきましょう!
コーヒーにおけるフレーバーとは、口に含んだ時に感じる味、香りの総合的な印象のことを言います。
パッケージやお店の紹介文によく書かれている「オレンジのような」「チョコレートのような」といった表現がこれにあたります。
フレーバーを決める要素は多種ありますが、大きく「苦み」「酸味」「香り」「コク」「甘味」に分けられます。
① 酸味 (Acidity)
コーヒーの品質を語る上で欠かせないのが「良質な酸味」です。
コーヒーの味を決定づけるのは苦みと酸味のバランスです。
よい酸味があると、味にさわやかさ、繊細さ、奥行きが出ます。
酸味の種類は、柑橘類系、トロピカル系、ベリー系、カシス系、フレッシュ系など様々あります。
好みのフルーツの酸味をイメージして選ぶのも楽しいと思います。
- 種類:柑橘系(オレンジ、レモン)、ベリー系(ストロベリー、ブルーベリー)、トロピカル系(マンゴー、パイナップル)など
- 感じやすい焙煎度:浅煎り
② 苦味 (Bitterness)
コーヒーらしさを象徴する味わいです。苦みは焙煎の過程で出るコーヒーの主成分と言われるものです。苦み成分としてカフェインが有名ですが、実はコーヒー豆がもともと持っているカフェインが味に与える影響はごくわずかで、焙煎中に発生する成分が苦みの多くを占めています。
苦みの種類も、とがった苦み、力強い苦み、マイルドな苦み様々な味がありますので好みのものを探しましょう。
- 種類:ダークチョコレート、ローストナッツ、スモーキーなど
- 感じやすい焙煎度:深煎り、中深煎り
③ コク (Body)
口に含んだ時の、味の密度やとろみのことです。「コクがある」コーヒーは、濃厚で満足感があり、余韻が長く続きます。逆に「コクが少ない」ものは、スッキリとしていてクリーンな後味になります。
- 感じやすい焙煎度:深煎りになるほど豊かになる傾向があります。
④ 香り (Aroma)
コーヒーの魅力は何と言ってもその豊かな香り。
大きく「フローラル系」と「果実系」に分かれます。
香りが最も強くなるのは浅煎り~中煎りぐらいと言われています。
コーヒーの香りの成分は焙煎後は800種類以上と言われていて食品の中でもトップクラスの香りの豊かさと言われています。
それゆえ好みも多彩に分かれます。とりあえず香りのよいものを選びたい場合は基本的には浅めの焙煎度合いをお勧めします。
香ばしい系の香りが好きな方は深煎りをお勧めします。
- フローラル・果実系:浅煎り〜中煎り
- ナッツ・カラメル・チョコ系:中煎り〜深煎り
⑤ 甘味 (Sweetness)
甘味は大きく焦がし砂糖のような「カラメル系」パイナップルやベリーのような「フルーツ系」まったりとした「バニラ系」があります。
コーヒーの成分自体には人間が感じ取れるほどの甘さがありませんが、香りなどから甘さを錯覚して感じると言われています。
基本的に浅煎りではフルーツ系、中煎りでカラメル系、深煎りでバニラ系の甘さを感じることが多いです。
ぜひこれを参考に選んでみてください!
コーヒーの甘さについては解説した記事ありますので是非読んでみてください。
バニラや黒糖のような甘み:深煎り
フルーツのような甘み:浅煎り
カラメルのような甘み:中煎り
お店の豆紹介カードには、こうしたフレーバーの特徴が書かれていることが多いと思います。
ぜひチェックして、自分の好みに合いそうなキーワードを探してみてください。
まとめ:今日からできる!自分好みのコーヒー豆を見つける3ステップ
それでは、最後にコーヒー豆の選び方を3つのシンプルなステップにまとめます。
- 「酸味」か「苦味」か、好みの方向性を決める。
- フルーティーでスッキリが好きなら「浅煎り」
- 香ばしくてしっかりした味が好きなら「深煎り」
- 迷ったらバランスの取れた「中煎り」や「中深煎り」から!
- パッケージの「フレーバー」説明を読む。
- 「オレンジ」「チョコレート」「ナッツ」など、自分の好きな食べ物や香りのキーワードをヒントに選んでみる。
- 実際に飲んでみて、次の豆選びに活かす!
- 「美味しかった!」「もう少し苦い方が好きかも」など、感じたことをメモしておくと、次回さらに好みに近い豆を選べます。
コーヒー豆選びは、あなたの好みを見つける楽しい旅のようなものです。難しく考えすぎず、まずはこの入門編を参考に、気になる豆を試してみてください。きっと、おうちでのコーヒータイムがもっと豊かで素敵なものになりますよ。
(次回の中級編では、コーヒー豆の「産地」による味の違いについて解説していきますので、お楽しみに!)
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